BOY A

これは暗い映画。救われない。郊外の都市で、サイロだか工場が自然の中にどーんとあるという背景は自分の少年時代のそれと似ていた。イギリスと日本は似ていないようで、リアルタイムでは似てきているような気がする。ケン・ローチの「この自由な世界で」では、不法滞在の外国人労働者を低賃金で働かせるイギリスが描かれていたけど、あれを日本での外国人労働者日雇い派遣労働者の問題、移民受け入れ問題に置き換えれば、今後の日本をを観ているようでもある。「将来、生活のために日雇い労働を外国人と奪いあう。そんな子供になっても良いのか」という台詞はそんな加熱した低賃金労働社会になっても良いのかという監督のメッセージにも聞こえた。
ともあれ、少年Aの話である。日本で言えば、サカキバラ事件とかに当たるのだろうか。過去に罪を犯した若い青年が出所する。出所後は偽名を使い全て上手くいくが、ふとしたことで少年Aであることがばれてしまう。償いの難しさ。