恋愛も不倫も高度なギャグだと思うに至る内容であった

ブス会「淑女」@リトルモア地下

久々のブス会。本当に心温まるお話。表題の如くの感覚と言いますか、ブス会で取り上げられる女性の問題として不倫がある。世の中には恋愛至上主義いや恋愛原理主義な女性というのも少なくないと思われるのですが、そういった女性はなんだろうか、不倫をするのは相手が悪いとしても、その原理主義であるコア、つまり信じているもの、いわば神のような、幻のような完成した純愛、そういったものを何故こうもいとも簡単に汚され蹂躙されるというか、その辺何も保護膜がないよな、外殻がないよなと可哀想になる。
純愛とは原理主義者からすれば、一種、神。不倫は文化と言った人がおりましたが、一気にその神みたいなものが粉々になっちゃうのだから、もうギャグじゃないかと。人間、壊れるのが一気だと笑いしかこない。高度なギャグ。全ては高度な演技の戯れという風に過去を理解していくとは、ギャグである。

今回特に良かった俳優を上げると、岩本えりと遠藤留奈。岩本えりのおばさん具合は最高で、言うなればMs.更年期障害。今回もまた子供なしで空気ばかり読んじゃうセックスレスでみみっちい内向的な主婦。板につくという表現が良いのか。更年期障害を身体レベルで見事に極めている。造作の中に既に更年期障害の本質を読み取れる程である。
遠藤留奈のクソぶりっ子具合は前回の大樹桜の役を踏襲するかのような役であるが、クソぶりっ子具合の円熟した振る舞いが素晴らしい。もっとネチネチした要素が入ると大竹しのぶのような天然系クソぶりっ子の方向に過剰に向かってしまうので、このレベルでクソぶりっ子具合を醸しだすには難しい。悟るには充分な程の、尚且つさっぱりとしたわざとらしさをぎりぎりのところで寸止めして、クソぶりっ子の頂点レベルで保つという難しさである。おそらく無意識的に日常のレベルであのうざさを出せたのは吉川ひなの神田うの黒柳徹子ぐらいではないだろうか。二次元でそれを表象させたのは、地獄のミサワぐらいである。

「あれ、分からなかった?これ、高度なギャグだから」というのは勿論ポツドールの「愛の渦」で乱交パーティにやってくるカップルの男性の名言で、この「ギャグだから」に彼の強がりを読み取れるわけですが、高度なギャグだからというのはなかなか深い考察でもあるなぁと思った次第。恋愛も結婚も何故か知らないが一気に壊れたりするけども、誰もフォローしてくれない。虚しさをギャグにするぐらいしかできないということでもあるが。