熊切和嘉監督「青春金属バット」

http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070810k0000e020094000c.html

食料自給率が40%の現状で、

『子どもたちが豊かな人間性をはぐくみ、生きる力を身に付けていくためには、何よりも「食」が重要である。』

って前文が説得力がない。
その後で、

『こうした「食」をめぐる環境の変化の中で、国民の「食」に関する考え方を育て、健全な食生活を実現することが求められるとともに、都市と農山漁村の共生・対流を進め、「食」に関する消費者と生産者との信頼関係を構築して、地域社会の活性化、豊かな食文化の継承及び発展、環境と調和のとれた食料の生産及び消費の推進並びに食料自給率の向上に寄与することが期待されている。』

などと言っているが、期待されているだけで、施行から2年自給率は逆に落ちて、胡散臭さ否めない。要は、海外から輸入した食料食ってることに変わらず。でも、食に関心が向くのは良いと思う。産地やら原料やら気にするわけで。ただ、食育という言葉が色々不明瞭にしている気がする。あと、食って自由だし、この法律で家庭の台所は何も変わっていないし、この法律の意味って何なの?っていう。そもそも、『自ら「食」のあり方を学ぶことが求められている。』ってそうなんかね。カレーが好きなやつがいれば、カレー食えば良いじゃん。そこで、食のあり方として、香辛料をインドから取り寄せて、、、とか?良く分からない。そもそも「食」のあり方って何?料理人、料理研究家、栄養士、家庭科の先生の活動を広げるためか何かか。

原作は古泉智浩の漫画。何このリアリティ。話はまぁまぁというか、普通。所沢が舞台。郊外(比較的離れた郊外)の姿、象徴している。どでかい施設やらわけわからん土地が広がってて、誰もいない野球場とか。

竹原ピストル、坂井真紀、安藤政信の演技が秀逸。安藤政信演じる不良警官「奥さん、見逃してやろうか?で、今日のパンツ、何色」。奥さんが目玉ひんむく。このシーンがおもろい。日常に腐ってる警官の雰囲気をよく表現している。竹原ピストルは冴えないフリーター役なのだが、こんな人いるよ!ってくらいはまってた。本職はミュージシャンらしい。坂井真紀は巨乳の酒乱女役。ツンデレですな。キャラ萌え必至。

バットで殴られた店長、燃やされたコンビニ、いじめっこ、市長の息子、集団リンチした高校生、塗装屋の落合のその後が何もなく、エンディングが不安定な印象を受ける。ともあれ、そこまでおもろくもないけど、つまらなくもなく、日常のダメな感じとそのダメな日常の中のちょっと良い話をそのままキャンバスにぶつけたらこうなったさ!というような作品。