風邪again

非常に体調が悪い。38.7度。

演劇レビューでも。。。

ポツドール「激情」
@本田劇場。非常に面白かった。同世代として三浦大輔の才能が羨ましい限り。とにかく、迫力のある劇である。プロットが非常に良く、リアリティが炸裂している。前半から後半まで本当に物語が突き進む感じだ。どんどん引き込まれる。舞台美術は非常に良い。ただ、役者の配置の仕方はもう少し改良できそうである。残念な点は役者の声があまり響かないこと。これは演出上、あえてそうさせているのかも知れない。東北弁が聞こえづらいのだ。
役者が非常に頑張っている。とりわけ、町田マリーさん流石ですなぁと。魅惑的なカントリーガールを演じきっておられた。

「でも、ここでキスしたら、彼氏に悪いよ。。。」という主人公に「じゃぁ、ギャグでキスして。ギャグでなら良いでしょ」というレトリック。最強。キャー。

この劇は赤裸々で性的なシーンが多い分、嫌がっている役者もいるんだろうが、役者の技量はその演技力なわけで、セックスを描く必要性があったかどうかの問題は置いといて、役者の心意気に感心した。

あと、最後があまり良くない。不安定な印象を受けるのだ。あの最後の取り立て屋が来るところで終わらせた方が良かったんじゃないかな、と。レイプシーンは省いて。

大学の社会学の講師が、アフリカにおけるエイズ感染者増大の理由について、本当に未開発な地域での娯楽となるとセックスしかなくなると話していたのを思い出した。得意げに話していたが、おそらく受講していた誰もが既に認識はあった話だ。娯楽のあるなしは別として、絶対田舎のセックス頻度は都市より高いと思う。田舎のラブホの数や利用者なんかで統計を出すまでもなく、雪国とか離島など一種の閉ざされている地域での同級生セックス頻度。これ、確か宮台さんの本でも書いてあった。都市の人のセックス幻想具合。

本谷有希子がコラムで台詞のおもろさと、状況のおもろさなら、状況のおもろさの方が伝わり易いというようなことを書いていて、単純な思いつきで申し訳ないけど、例えるなら「ダッダーン、ぼよよんぼよよん」のCMはその両方を狙っているなぁと。古い例ではあるけど、あの沼から出てくる時の「ダッダーン(略)」が「ダッダ(略)」という台詞でなくてもあの場面、状況のおもろさってのがある。本作の笑いも、「状況のおもろさ」が良く描けていると思う。

ともあれ、若者の恋愛とか両親の自殺とか借金とか不倫とか昔いじめられてた男の大成とかが描かれている作品。見て良かった。