山本直樹「レッド」

おもろい。でも、「突入せよ〜」の方が映像の分、圧倒されるような感じがあった。本、というメディアがリアル<−>フィクションのフィクションよりに無意識に設定されている感じというか。あと、名前が微妙に違うってことが面倒くさい。赤色軍とか出てくるメンバーの名前とか。

全て言いくるめるのも語弊があるかもしれないが、赤軍派含めハードコアであれソフトであれ、学生運動をやっていた、やりたがった人の中には、エロ目的の人も結構いたんじゃないか。表向きは、思想なんか語っていたかも知れないが、動機や始めるきっかけとして。出会いというか、もっと直接的に言えば、セックスしたい目的の非モテが。大学や大学の部活といっても、スクールカーストの延長上にあるようなもんで、結局ナイーブなもてない連中の逃げ道みたいになっていたんじゃないかな。思考能力のない女子は世界革命の論文とか言えば、ヲタのこともカッコイイと思っちゃうようなところがあって。その論文ってどんなものだったのか逆に読んでみたい。スクールカースト的なものが学生運動を加速させた、とは言わないけど、インターネットもなかった当時の状況で、自分を笑えず狭い世界観に縛られている気がして不憫な気はする。

途中、学生運動なんかやめて喫茶店でも開こうという若い男女のやりとりがある。この時点でまともな就職なんかは考えていないようだけど、喫茶店を開くことがマシな将来像ってのが違和感。当時、村上春樹は若くして結婚し、喫茶店のマスターとして働き始めたころだけど、喫茶店の経営ってそんな魅力的なものなんだろうか。

途中、中絶とか、或いは結婚した夫婦による参加とかあるんだけど、閉じたメンバーの中でいろいろやっていたんだろうなぁ、というか。山小屋でどうやって性的な欲求不満を処理していたのかも気になる。俺だけ?思想は肉食でも性的には草食だったのかな。