ベタ

読書レビュー
保坂和志「『三十歳までなんか生きるな』と思っていた」
最初、三十歳までなら、なんか生きるなと思っていたという感覚だと思ったら、三十歳までなんか生きないぞっていう意気込みだったわけね、ああ勘違いというか、自分の平和ボケした感覚が恥ずかしい。読んで、なんか俺みたいな青春っすねと。なんとなく、似ている。以前、バイトで30間際の社員さんがいた。マーク・ボランが好きだった。「マークボランは30までに死ぬだろうって言って本当に死んだ、自動車事故だけど、あれは自殺なんじゃないか。すげーよ」と。当人もそういう風に思っていたらしい。その頃の30のイメージって何だろう。。。その時の30のイメージってすごく遠かったし、心の奥底ではそういう感覚を持っていたのかもしれないけども。分からない。

風邪っぽいが、明日、明後日と接待をし、会議が続くので会議用資料も作らねばならない。接待の店はおっさんくさいのはなしで、焼肉とタイ料理をセレクトした。店予約だけでしんどい。タイ料理はあたりはずれでかそうだ。やまけんみたいにタイ料理を美味しく食べたいっす。チャレンジ。今回も検討した北大路はいわゆる接待向けチェーン店というか、はずれはないんですけど、個室個室するところがトーク力とか営業力とか試されそうで、びびりが入ったというのもある。。。接待と言っても、はじめにするのは、ゴルフだの、野球だの、レジャーだの、アイドルグラビアだのその辺の会話が多い。三浦展もその辺の当たり障りのない会話ができることが社会人の前提とかアソシエで書いてたな。最大公約数だか最小公倍数だかとにかく皆が好む話題ってそういうのだよなぁ。。。不思議なことだけど、接待では政治宗教ネタに触れない分、床屋では政談が多い。大体、景気から入るよね、もう語りつくしたよ。床屋すげーと思うのは、リベラルな客にはリベラル発言できて、保守派には保守発言できること。無意味な政談こそ、間を持たせる究極の対話術だと思うのだけど。つまりは話しても意味がないことをお互いが理解しているからで、どちらが得もなく損もなく終わるということで。エレベーター内なんか、天気の会話で終わるから気が楽で。会話をしたことさえ忘れる。寒いですね、暑いですね、花見行きましたか?雨ですね、風強いですね、嫌な天気ですね。言えば、なんか返ってくる。その返事を聞いた頃、会社に到着しているから、「寒いですね」と俺が言った瞬間、相手が何を言うにせよ、「ですよねー」と返答をしたことさえ忘れている。床屋の人がすごいのは、ですよねーの後にそれっぽい同調意見がすばやく出てくること。それも、その客と似た政治姿勢の客の意見をただ言っているだけだとは思うが。

「お試し新ネタ マーケティング」を見る。チェリーパイはパイレーツを見ているようでなんか懐かしさすら感じる。あのパーイパイの恥ずかしさが。タカアンドトシが最後にやったのだけど、タカアンドトシの漫才はベタで大うけだった。普通のお客に何がうけるってやはりベタだね、と。関根勤の「やっぱり、ベタなんだよ」って発言は秀逸だと思った。先鋭化する一方で常にそのゆりもどしはあるもんな。