クシシュトフ・キェシロフスキ「トリコロール/白の愛」

三部作の2作目。良い映画。絵が綺麗。音楽の入れ方が上手い。映像の「黒」の使い方にこだわりを感じる。「展開」が人を魅了させるので、観て損はない。リアリティがある一方で、ファンタジーのようなところがある(トランクで入国、銃で用心棒、自分の葬式の自作自演)。当時のポーランドが、かなりゆるい社会である印象を持ってしまう(実際どうかは分からない)。最初がどうしようもない始まりの方が、最後に向けて最初よりはマシになるという比較的なハッピーエンド(厳密に言えば違うのだけど、最初よりはマシという意味での)がある気がする。くさいけども、この映画のテーマは愛。愛の喪失と復活。Julie Delpyが一瞬、古谷一行に見える。