コナー・マクファーソンが素晴らしいことについて

おそらく28歳の秋。根拠はない。26歳や24歳ではないのだろう。

出張は新幹線が長くてかなり飽きてしまった。接待でその土地でも一番おすすめのローカルなスナックへ行ったが、まったく大したことない店だった。倉敷が良かったというのもあって、期待してしまった。町の疲弊具合 も物悲しい。

品川で降りて、渋谷へ移動。久々にJoytimeで食事。ハイボール飲んだ。その後、パルコ劇場でコナー・マクファーソンの海をゆく者を見た。面白かった。現実的であり、神話的。作り方が上手い。リチャードの一人語りは特に秀逸。合計二時間半にも及ぶ作品。終わり方がどうかと思ったが、それ以外は全部良い。ベケット以外のアイルランド演劇は素晴らしいと思う。酒、田舎、歌、死、家族。酒もジェムソンよりパワーズなのがいい。全く未来の展望もなく、過去の失敗や現実の寂寥感を払いたくて、ウィスキーをあおる男たち。飲めば飲むほど、過去や現実に苛まれていく。未来がないように思えて、その苦悩やら反省ってのが愛らしいほどに人間的である、ということを言いたかったのかも知れない。実に人間くさい劇だった。