Melinda and Melinda

ウディ・アレンの。すごくよくできた映画。脚本が素晴らしい。ウディ・アレンの本質というか、どストレート。ど真ん中のウディ・アレン節。彼の作品には、金持ちのモテるハンサムなイケメンとブサメンまたはダメメンがしばしば登場し、ダメメンが嫉妬しやたらあげ足をとってイケメンの行動や趣味を皮肉るというシーンが多々あるが、本作のダメメンは監督本人ではなかった。この必死な皮肉が滑稽で痛快。時々すげー無意味だったり、時々すげー説得力あることを言う。のび太出木杉を皮肉るという感じかなぁ。とにかく、ダメメンが努力と偶然で恋を成就するっていうお気楽な感じも良い。恋とジャズとニューヨーク。あのcredit titleのフォントすら素晴らしい。ミア・ファローが「僕らのミライへ逆回転」で出てるらしい。

「悲劇や喜劇とは何か?どっちが興味深いか」という劇作家の討論から始まる。「人生は惨めか悲惨かのどちからかだ」と説いてきたウディ・アレンらしい哲学的な導入で、悲劇は喜劇にニアリーイコール、結論付けられない、悲劇性の中に喜劇があったりする。そのダブルミーニングを2人の女性を使って表現するも、最後はそれが悲劇なのか喜劇なのかよく分からなくなってくる。また、最後のしめ方がいい。